純正ナビが走行中に目的地を変えられなくて非常に不便だったので、
操作規制を一時的に解除するプチ改造を行いました。
前置き
この記事ではエスティマハイブリッド AHR20W (前期型 2006年1月-2008年12月)の純正ナビを 走行中にナビの操作ができる ようにする改造を行います。 走行中にテレビが見れるようにするわけではありません。目的地を変えたりできるようにします。
テレビが見れるようにするだけでよいのであれば、 パーキング線をGNDに落とすだけの簡単作業なので、 このサイトでは言及しません。知りたい方は他のサイトで調べてください。
尚、この記事はエスティマハイブリッドのナビについて書いていますが、 他の車種でも他のメーカーでも基本的に同じ仕組みですので、参考になると思います。
今回の作業について
エスティマハイブリッド AHR20W (前期型 2006年1月-2008年12月)の純正ナビを、走行中にナビの操作ができる ようにする改造を行います。 基本的に純正ナビは、走行中に操作規制(走行規制)がかかってしまいます。 これはトヨタに限った話ではなくて、純正ナビ(MOPナビ:メーカーオプションナビ)全てで共通です。
でも操作が規制されてしまうと、同乗者に目的地を変えてもらいたい場合などに非常に不便です。 なので、今回の作業で無理やり操作できるようにしてしまいます。
操作規制がかかる理由
作業前にちょっとだけ操作規制に関するお勉強です。興味ない方は読み飛ばして次の項目に進んでください。
まず前提として、日本国内の主要自動車関連メーカーは 自工会(JAMA:日本自動車工業会) というものに加盟していて、 この自工会の「画像表示装置ガイドライン」 というものにより、 概ね2回以上の操作が必要なもの は走行中に操作規制がかかるようになっています。
参考:http://www.jama.or.jp/safe/guideline/index.html
ただし、操作規制はナビの供給形態によって違うので、それを以下に書いてみます。
純正ナビ(MOP:メーカーオプション)の場合
メーカーオプションの場合、供給元(=自動車メーカー) が自工会の直接の会員です。 なので操作規制を簡単に解除できないように、車速信号(スピードパルス)や通信を使って規制しています。
従ってこの信号や通信ををカットしないと規制解除できませんので、無理に解除するとナビの動作に支障が出ます。 例えば音声案内がされなくなったり、ナビ画面上の自車位置の移動がカクついたり、場合によっては自車位置が全く移動しなくなるなどの支障がでます。
でも車種によって多少抜け道はあったりします。(例:パーキング線をGNDに落とせばTVだけは見れるとか)
市販ナビの場合
ナビメーカーは自工会の直接の会員ではないので、市販ナビは簡単に操作規制を解除できるようになっています。 具体的には、パーキング線をGNDに落とすだけで規制解除できてしまいます(そうしないと売れないから)。
またTVやDVDなども同じ方法で簡単に見れるようになるし、それによる弊害もないことが多いです。
ディーラーオプション(DOP)の場合
ディーラーオプションは微妙なところで、パーキング線だけで規制解除できる場合もあれば、 メーカーオプションと同じく解除すると支障が出る場合もあります。
以上、ちょっとしたお勉強でした。
次の項目で純正ナビの操作規制解除について記載します。
作業内容
エスティマ(AHR20W, ACR50W, GSR50W) の純正ナビは、 車速信号(スピードパルス)をカットすることで操作規制を解除することができます。 但しこれをやってしまうと以下の不具合が発生します。
- 音声案内がされない
- ナビ画面の自車位置が動かなくなる
- LKA、プリクラッシュ、レーダークルーズが動作しない(?)
上記の動作はエスティマ固有の問題で、車種によって異なります。 参考までに、スピードパルスをカットしたときのマーク2(JZX110)の純正ナビの挙動も書いておきます。
- 音声案内がされない場合がある(遅れて案内される)
- ナビ画面の自車位置が1秒毎にしか動かない(音声案内が遅れる原因)
- ナビAIシフトが動作しない
以上からわかるように、不具合が起きるので常にナビを操作可能にすることはできません。 なので、今回は 一時的に操作規制を解除する スイッチを付けることにします。
以下にエスティマハイブリッドのスピードパルスをカットするまでの作業を記載します。
ナビ取り外し
まずは を参考に純正ナビを取り外します。
パネルを外してネジ4本外すだけなので簡単な作業です。
車速信号の配線取り出し
続いてナビに繋がっている車速線を取り出します。
ナビの裏に灰色(または乳白色)の5ピンコネクタがあり、これの真ん中の白い線が車速信号です。
具体的には以下の写真の 赤枠 で囲ってある部分が車速信号です。
車速信号線へスイッチを噛ます
車速信号線をカットして、配線の間にスイッチを噛まします。
スイッチをOFFにしたとき、(ナビ的には)走行中ではなくなります。
スイッチ配線通し
リーマを使ってダッシュボードに穴をあけ、スイッチを通しました。
今更ですが、なんでこんなところに穴をあけようと思ったんだろう・・・。
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スイッチ取り付け
スイッチを取り付けました。穴開け幅が完璧すぎて接着は不要でした。
しかし・・・見てわかるとおり、ただただスイッチの主張が強すぎる・・・。
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走行テスト
実際に走行して、操作できるようになっているか試しました。 結果、とりあえず成功です。
ただ、スイッチをオン(ナビ操作不可能)な状態にしてから 1分くらいしないと自車位置が正しい位置に戻らないようです。
それと、このスイッチ配置のセンスのなさがマジでアレです・・・。 自分で自分を責めたい。
とりあえず今日はここまで。
今回使用した道具
今回の作業で使用した道具は以下です。