Apple TV 2/3Gを車載するための記事(1)です。 この記事は第二世代/第三世代Apple TVを改造し、車載するまでの内容を記載しています。

- 2014.04.13 追記 -
Apple TVの車載については ググる と多くの車載化事例が報告されているようで、楽しく閲覧させて頂きました。

しかし、それらの事例(2014.04.13 現在)は全てDC/ACインバータを使用しているようですので、 真似した場合、次のACC-ON時(立ち上げ時)にApple TVに不具合が出ると思われます。 これはACC-OFF時にDC/ACインバータの電源をOFFにしているからです。

この記事ではDC/ACインバータを使用せずにAppleTVの電源をDC 12v化(常時電源)していますので、そのような問題は発生しません。詳細はこの記事を参照ください。

 

 

Apple TVは車載できるか?

この記事を読んでいるApple信者の皆様はご存知のとおり、iPhone 5, iPod tough 5からはDockコネクタが廃止され、Lightningケーブルになってしまいました。 これによってiPhone, iPod toughから映像を出力することが一筋縄ではできなくなってしまいました。

私は純正コンポジット出力ケーブルを使用して、iPod touchからナビに映像を出力していましたが、これができなくなったので困ってしまいました。 どうしたもんかと悩んでいたところ、家にApple TV 2Gと3Gが転がっていることに気づきました。(尚、2Gと3Gは殆ど違いがありません)  

「そうだ、これがあれば AirPlay できるじゃん!」

 ・・・と思って、はや一年。様々な問題にぶつかり、それを1つずつ検討する日々を過ごしてきました。 そして今、ついに 全ての問題が解決した ため記事にすることにしました。

まずはApple TVを車載する際の問題点から説明していきたいと思います。

 

 

Apple TVを車載する際の問題

1.電源OFFするとリジューム再生ができない

Apple TVは AC 100v の商用電源が常時供給される前提で設計されています。 なので、本体の電源を切る(コードを抜いて電力供給を停止する)と色々問題が起きるようです。

例えば動画を見ているときにACC-OFFすると、次にACC-ONしたときに 途中から再開されません。 最初の画面から動画を探して選択しなおす必要があります。言葉で言うと大した事ない感じですが、実際に使ってみると発狂するほど面倒です。

これを回避する(途中から再生できるようにする)ためには、以下を実行した後に電源を切ればいいようです。

「設定」 → 「今すぐスリープ」

しかし、この操作自体も面倒すぎます。コンビニで降りるときに間違いなく発狂します。 やはり根本対策としては Apple TVに常時電源を供給し、家庭で使う場合と同じ環境にするしかありません。

 

2.AC 100vを常時供給できない

Apple TVの電源は AC 100v ですので、車で使う場合は DC 12v → AC 100vに変換してやる必要があります。 しかし、市販のDC/ACインバータは変換効率が非常に悪いものが多いらしく、一説によると安物製品の変換効率は30%未満らしいです(要検証)。 つまり電力の70%以上が熱になって捨てられるわけです。

エンジンON中(走行中)であればオルタネータが電力供給してくれるので、変換効率が悪くても問題はない(燃費に多少の問題はある)のですが、 エンジンOFF中にインバータを使って電力供給すると、バッテリーがすぐ空になってしまいそうです。

そして、Apple TVは内部にAC/DCコンが入っていて、AC 100v を DC 3.4vに変換していますから、 DC/ACインバータを使ってApple TVを車載する場合は以下のような構造になります。

1) (車両から) DC 12v → DC/AC → AC 100v
2) AC 100v → (AppleTV内部で) AC/DC → DC 3.4v

これでは話になりません。変換効率がどれだけ悪いか想像もつきません。 なのでApple TVを分解し、内部のAC/DCコンバータを省略してやり、バッテリーから直接 DC 3.4v に変換して供給してやるしかありません。

 

3.DC12v→DC3.4vの変換で熱が出すぎる

問題2で Apple TV の電源改造が必須であるのはわかりましたが、 DC 12v(実際は14.7v) → DC 3.4v をどうやって変換するかも検討しなければなりません。 単純にレギュレータを使って変換した場合、ドロップ電圧が高すぎてレギュレータが半端なく発熱するからです。

やるとすれば、レギュレータに 放熱器を付けてファンを回す くらいしかありません。 唯でさえバッテリーの消費を気にしている状態でファンを回すなんてあり得ません。

 

4.スリープモード時(無負荷時)の消費電力

Apple TV 2G/3G の定格電流は 1.75A ですが、常に 1.75A 消費しているわけではありません。 スリープモードのときの消費電力は殆どゼロのようです。

これに対し、レギュレータは無負荷時が一番消費電力が高い場合があります。つまりスリープモード時は電力を熱に変えるだけの装置になってしまうかもしれないです。 そうならないように、無負荷時に消費電力がほぼゼロのレギュレータ(またはDC/DCコン)を使う必要があります。

果たして個人が入手可能な高効率変換ICは存在するのでしょうか。

 

5.ネットワーク問題

Apple TV 2G/3G 自身にはルーティング機能はないため、ルータがないと使えません。

iPhone 5以降を持っていれば iPhone自身をルータにすることができる(テザリング)のですが、 私は テザリング機能のない iPod tough で Airplay したいので、別途ルータを用意し、車内LAN環境を構築しなければなりません。

 

 

Apple TV車載化の問題解決方法

上記の問題の解決方法を以下で説明します。

常時電源化の問題

常時電源の問題は、90%の高効率の [OKI-78SR 3.3V出力 DC-DCコンバータ]が入手できたので解決しました。こんな良い物が簡単に入手できるとは。いい時代です。

また、このDC/DCコンを使った状態で Apple TV 3Gの消費電力を測ったところ、スリープモード時の消費電力が平均10mA未満ということがわかったので、 これくらいなら常時電源化しても問題ないと思えます。(高輝度LEDを1つ常に点灯しておく程度ですし)。

それでも心配なら、バッテリー上がりを防止するための [電圧低下検出回路] を付ければ完璧です。 私は [別記事のドライブレコーダ] で使っている [Power Magic Pro] というもので代替しています。

 

ネットワークの問題

ネットワークの問題は、WiMAXの [モバイルルータ AtermWM3600RとDock] を持っているので解決しました。

- 2015.11.01 追記 -
後日、普通のルータを取り付けました。
この内容は [Apple TV 2G/3Gを車載する(8)] で紹介しています。

 

 

次回の作業

次回、ムラタのDC/DCコンバータを使って実際にApple TVをDC12V電源化してみようと思います。

次回を読む 作業一覧に戻る

コメント

みやけんB

素晴らしい情報ありがとうございました。
真似させていただいました!!
快調に動いています。

私の半田ごての腕ですと、AppleTV側のハンダをうまく溶かさなくて結局線を買って対応しました笑

みやけんB

失礼いたしました。
線を買って→線を切って
になります。

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